1: 名無しさん@BL愛好者 2014/04/10(木) 14:04:37 ID:
米国ユタ州でアイラ・レヴィン戯曲の演劇『デストラップ』(Deathtrap)の上演を見た女性が、男性同士のキスシーンがあることに激怒し、「注意書きをつけるべき」「払い戻せ」と劇団に抗議しました。それに対して劇団の代表取締役が発表した回答が完璧だと話題になっています。
ちなみに舞台版でも、キスの場面はほんの3~4秒だとのこと。
そういう場面があると知らなかった、しかもゲイ嫌いのとある女性が、ティーンエイジャーの息子を連れてこのお芝居を観に行ったものだから、さあ大変。上演した劇団『パイオニア・シアター・カンパニー』(Pioneer Theatre Company)に、怒りに満ちた手紙が届けられることとなりました。以下、この劇団がFacebookに転載した文面より引用します。
わたしは通常冷静で、温厚で、動転したりはしない人間ですが、昨晩の『デストラップ』の第1幕末に演じられた露骨な同性愛表現には激怒いたしました。無害な劇のように思えたため、10代の息子を連れて行っていたからです。わたしはあなたがたの提供するコンテンツ・アドヴァイザリー(訳注:未成年に適さない内容があるときにつける注意書きのこと)に基づいて、10代の息子を連れて行く判断をしたのです。これまでわたしはコンテンツ・アドヴァイザリーをありがたく思い、子供を連れて行くかどうか判断する基準として信頼していました。残念ながら、あなたがたは「きわどい」要素を提供することで贔屓客の中の取るに足りない少数派にアピールせねばならないと考えているのだということがはっきりわかりました。
冒頭の自画自賛っぷりといい、同じ単語を何度も繰り返す文体といい、ゲイ・コンテンツを好む層を「取るに足りない少数派」と侮蔑的に形容するところといい、ある種の人物像がありありと浮かび上がってきますねえ。この女性は幕間にチケット売り場で「上司を出せ」と要求したもののかなわず、注意書きがなかった理由をスタッフに問いただしたのだそうです。
さて、これに対して、『パイオニア・シアター・カンパニー』のクリス・リノ代表取締役はFacebook上で以下のように返事を書いています。
<つづく>
キスには反対するのに、彼らが人殺しだという事実には反対しないのですか? 息子さんが殺人の芝居を目撃するのはよくて、同性同士のキスはだめなのですか? 殺人もキスも芝居ではただのつくりごとですが、まるきり無害な描写――たとえ同性同士のキスだとしてもです――がまったく容認できない一方で、『デストラップ』のような現代物の殺人ミステリーであろうと、『マクベス』のような不朽の悲劇であろうと、殺人を描く演劇が道徳的に容認できる理由は何ですか?
だよねえ。子供のためと言うのなら、キスに目くじらをたてる一方で殺人にはおとがめなしというのは筋が通りません。「子供が人殺しになってもかまわないが同性愛者になったら困る」とか、「子供が世の中には殺人事件があると知るのはかまわないが、同性愛の存在に気づかれては困る」とか、そういうこと? それはもう道徳の問題じゃなくて、同性愛嫌悪の問題なのでは。
なお、リノ代表取締役はこの女性へのチケット払い戻しに応じるそうですが、注意書きのポリシーは変えない模様。注意書きと言えば、この1件を報じた米ハフィントン・ポストのコメント欄に、秀逸な意見がありました。(強調は引用者によります)
ユタ州の女性と、ブライアン・ユーリ(訳注:この女性の意見に同意している、ユタ州のメディア監視グループの人)へ。「注意:世界は――同性愛を含みます」。
For the Utah woman and Brian Urie. Advisory: The World – Contains homosexuality.
そうそう、もうこの注意書きだけでいいじゃないですか。これが世界の真実なんだから。
映画版ですが、キスシーンはこちら
名言じゃないかな、この注釈
でも、嫌いな人は本当に嫌いだからねぇ
同性愛は自然界にもあるものだしね
「世界は――同性愛を含みます」
ムキー!!!って怒ってそう
ネット上の反応
関係ないけど、某ラノベの感想に「男の娘が嫌いなので、そういうキャラが登場するならあらすじにそう書いておいて欲しかった」と書いてあって、知らねーよ、と思った覚えが。
内容は勿論大切なんだけどこのタイトルの語呂は完全に大喜利
この対応も上手いし文末に載ったコメントもお見事、とは思うけど殺人を肯定的に取り上げた演劇と比較すべきとは思う。
そういやこれ思い出した。解答がパーフェクトかは別として、「注意:世界は――同性愛を含みます」ってのは非常にうまい言い方だなーと思った。
暴力表現があるアニメやゲームは犯罪の原因といいながら、侍が人を刃物で斬り殺す話を娯楽として楽しむ年寄りみたいな話だな。
これは…、これ感心してる場合じゃないと思うけど。他の異常性愛扱いを受けてるカテゴリーは「世界」に含まれるのかな?
自分の不快を訴えるためなのに「子供の教育上よくない」などと大層な言い訳をつけがちな人たちに痛烈な一撃。
これはこれで一つの回答だろうけど、たとえば「ゲイ表現」の正反対、「ゲイ差別」を正面から打ち出した物語だって、この論法は使えてしまうよ?「物語には殺人も出てくるんだからこの表現もOKでしょ」と。
世界は同性愛を含みます。まったくもってその通り。
有害であることと個人的嫌悪の区別がつかない人というのは、良識ある顔をして自分の嫌悪感を正当化するんだ
日本でもアニメの殺人はうるさいのに刑事物のドラマは容認されてるのと同じだな 一回で2~3人死ぬのにそういうの見る人は全く何も言わないからな
世界には沢山の人がいて、沢山の可能性があって、誰か一人(それが異性であれ同性であれ)を死ぬほど好きになれたらそれで良いって言える親になりたいなー
この記事、BL同人界にも通じるものがある。
だよね。この世に当たり前に存在していることなのに、ほんの僅かのキスシーンのために注意書きがある方がおかしいよね。
日本の劇場なら簡単にこの言いがかりに屈するだろう。謝罪どころか脚本を書き換えたりして。この対応に反発するツイートが目立つのも気がかり。
同性愛に対しては様々な意見があるからね…宗教上の問題とかも関わってくると、根深い。
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